2026年6月の発達障がいグループワーク

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20266月の発達障がいグループワーク

202666日、クリニック奥の多目的室にて、月例の発達障がいグループワークが開催されました。
今回は女性4名、男性2名の方にご参加いただきました。

今月のテーマ

「発達障がいの特性を開示すべきか、その方法及び就労に及ぼす影響」

今回は、社会の中での関わり方や働き方に深く関わるテーマについて考える時間となりました。

前半 理事長によるミニ講義

講義の前に、新しい治療の取り組みについて紹介がありました。
内服薬ではなく、ゲーム形式で注意力や不注意の改善を目指す治療法が開発されており、今後の可能性についても触れられました。

 

講義ではまず、「発達障がいの特性を周囲に伝えるべきか」という問いについて、さまざまな視点からお話がありました。

本来は、特性を伝えることで周囲の理解が進み、社会の側が対応していくことが望ましいとされています。
一方で、現実には開示することで偏見や不利益を感じる場面があることも否定できません。

その中で、「差別ではなく区別として理解し、それぞれに合った関わり方を考える」という視点の大切さが語られました。

 

実際の事例として、特性のある生徒が通う中学校を訪問した際のエピソードも紹介されました。
教職員が連携しながら丁寧に関わることで、小学校では不登校だった生徒が通学できるようになったというお話から、環境の力の大きさが伝わってきました。

 

また、近年は人材不足という社会背景もあり、発達障がいの特性を持つ方の就労の機会が広がってきていること、
企業の中でも自身の特性を開示する方が少しずつ増えてきていることが紹介されました。

ただし、開示する場合でも、社会の中での基本的なマナーやルールを大切にすることが前提となること、そして無理のない形で自分を伝えていくことの重要性が強調されました。

 

具体的な方法としては、いきなり診断名を伝えるのではなく、
「困っていること」や「配慮してほしいこと」を1つか2つ、身近な上司などに伝えることから始める方法も紹介されました。
いわば「自分の取扱説明書」を少しずつ伝えていくイメージです。

 

また、家庭の役割についても触れられました。
親が子どもの特性を隠すのではなく、理解し支えていくこと、
そして家族の中でお互いの特性を補い合う関係性が、社会に出ていくうえでの土台になることが語られました。

 

講義全体を通して、「社会も少しずつ変わってきている中で、お互いに歩み寄ることの大切さ」がやさしく伝えられました。

後半 グループワーク

後半は、参加者同士でのグループワークの時間です。

実際に作業所で働いておられる方や、ご家族が就労されている方からの体験談が共有され、
服薬や環境調整によって働きやすさが変わったというお話も聞かれました。

 

また、「親の特性を子どもにいつ伝えるか」といったテーマについても話題が広がりました。
その中で、子どもは成長の中で自然に気づいていくことも多いという視点が共有され、
それぞれのご家庭での関わり方について考える時間となりました。

 

さらに、アプリやインターネットを通じて当事者が発信している情報についての紹介もあり、ピアサポートの広がりを感じる場面もありました。

 

理事長からは、「診察室の中だけではできない支援として、このようなグループワークを続けていくことも専門医としての役割である」というお話があり、
この場の意義をあらためて感じる時間となりました。

それぞれの形で社会とつながるために

発達障がいの特性をどのように伝え、どのように社会と関わっていくか――
簡単に答えが出るものではありませんが、今回のグループワークは、そのヒントをそれぞれが持ち帰る機会となりました。

これからも、安心して語り合い、学び合える場として続けていきたいと思います。

 

次回のテーマ

次回は
「発達障がいにおけるグレーゾーンとはなにか」
をテーマに開催予定です。

皆さまのご参加を心よりお待ちしております。