2026/07/27
2026年7月の発達障がいグループワーク
2026年7月4日、クリニック奥の多目的室にて、月例の発達障がいグループワークが開催されました。
今回は男性3名、女性4名の方にご参加いただきました。
今回も、参加者の皆さんが熱心に耳を傾け、質問や意見交換も活発に行われる充実した時間となりました。
今月のテーマ
「発達障がいにおけるグレーゾーンとは」
発達障がいの診断には至らないものの、日常生活の中で困りごとを抱えている「グレーゾーン」について、医療的な視点と社会的な視点の両面から学びました。
前半 理事長によるミニ講義
講義ではまず、発達障がいにはASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、LD(学習障害)という大きく3つの特性があり、それらが重なり合って現れることも少なくないことが説明されました。
発達障がいと診断される方は全体の約7%とされていますが、グレーゾーンまで含めると15~16%、およそ6人に1人とも言われています。
グレーゾーンと聞くと「困りごとは少ないのでは」と思われがちですが、実際にはそうとは限りません。
むしろ、自分自身の「人と違うところ」や「生きづらさ」を自覚しやすく、悩みを抱えながら生活されている方も少なくないことが紹介されました。
また、軽度の特性を持つ方ほど、自分の困りごとを言葉で表現できる場合がある一方で、診断には至らず支援につながりにくいケースも多いことが説明されました。

講義では、グレーゾーンであっても適切な支援や経過観察が大切であることが強調されました。
成長とともに自分なりの工夫を身につけられる方もいますが、社会に出ると自分自身で判断し対応しなければならない場面が増え、困りごとが大きくなることもあります。
そのため、早い段階から理解と支援につなげていくことの重要性が語られました。
学校現場についてもお話がありました。
「このくらいなら大丈夫」と問題が先送りされてしまうことがありますが、小学生の頃には何とか登校できていても、高校生になると状況が大きく変わり、不登校や引きこもりにつながることもあります。
一方で、近年は学校現場の理解も少しずつ進み、支援のあり方も変化してきていることが紹介されました。
そして、グレーゾーンであっても「環境」と「理解」の二つが整っていれば、困りごとを軽減しながら生活していくことは十分可能であることが伝えられました。
特に家族の理解は大きな支えとなります。
「家族・友達・趣味」という三つの安心できる居場所を持つことの大切さについてもお話がありました。

講義中は質問も多く寄せられました。
「発達障がいは昔より増えているのでしょうか」という質問に対しては、社会の変化や診断基準の普及、専門医の増加など、さまざまな要因が重なって現在の状況があることが説明されました。
後半 グループワーク
後半は参加者同士でのグループワークです。
診断に関する疑問や、医師によって診断が異なることはあるのか、他の精神疾患との違いはどのように考えればよいのかなど、多くの質問が寄せられました。

参加者それぞれが日頃感じている疑問や不安について率直に語り合い、互いの経験に耳を傾ける時間となりました。
初めて参加された方も、安心した雰囲気の中で話を聞いたり質問されたりする姿が見られ、温かな交流の場となりました。
安心して相談できる場所として
診断があるかないかだけでなく、「今、困っていること」に目を向けることの大切さをあらためて感じるグループワークとなりました。
発達障がいグループワークでは、専門医による講義だけでなく、参加者同士が経験や思いを共有し、安心して語り合える時間を大切にしています。
これからも、一人ひとりが安心して参加できる場として続けていきたいと思います。
次回開催のお知らせ
次回のテーマは、
「発達障がいが見逃されやすい精神障害」
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。